幼虫・女性・スキャナ

オオクワガタの幼虫を生きたまま3次元スキャナーで入力しました。
3次元スキャナーは針で突いて立体物を認識するため幼虫に針が刺さり、
もがくことで正確な形状ではなく、幼虫の動いた軌跡を形状データとして入力します。
そのデータをもとに3Dレンダリングソフトにより視覚化した映像と、
オオクワガタの幼虫を生きたままの状態でフラットベットスキャナーに置き、それを
押し潰す様に女性が被い被さった様子をコンピューターへ入力しプリントアウトした画像が展示してあります。
それぞれに文章が添えられています。
どちらも酷いことをしていますが、いくつかの捉え方が出来るのではないでしょうか。

人間の価値判断により高価とされる成虫になることを嘱望され、
養殖されたオオクワガタの幼虫。

彼は、人の手により造り出された「作品」の一部となった。
3次元スキャナーによって、動いている様子そのものを
3Dグラフィックスとして正確に再現され、
フラットベットスキャナーの上で人に押し潰された様子が克明に記録されている。

モノとしての生命が冷徹に提示されている。

なんつって。
臍は、母と繋がっていた。

彼女は、腹部で虫を押し潰すことにより生命を連想させる「作品」の一部となった。
臍の近くに幼虫が踞り、胎児を想わせる。
その幼虫が動いていた様子を立体化した映像は命の脈打ちを喚起する。

いくら変質させようとも生命はそこにいたのだ。

なんつって。


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